なぜ急にかゆくなるの?蕁麻疹が起こる「ヒスタミン」の仕組みと、原因が特定できない時の向き合い方

「できものが急に出て、消えた」そんな経験はありませんか?

皮膚に、

  • 突然赤く盛り上がる
  • ミミズ腫れのような膨らみが出る
  • 強いかゆみを伴う
  • 数時間〜1日以内に跡形なく消える

このような症状がある場合、
蕁麻疹(じんましん)の可能性があります。

蕁麻疹は、
一過性(短時間で出たり消えたりする)の膨疹(ぼうしん)を特徴とする皮膚疾患
とガイドラインで定義されています。

蕁麻疹は、

  • 皮膚の血管が一時的に広がり
  • 血液中の成分が皮膚に漏れ出る

ことで起こる病気です。

この反応の中心にあるのが、
ヒスタミンという物質で、
皮膚の中のマスト細胞から放出されることで、

  • 赤み
  • ふくらみ
  • かゆみ

が生じます。

蕁麻疹の皮疹には、次のような特徴があります。

  • 盛り上がった赤い斑点やミミズ腫れ
  • 大きさや形はさまざま
  • 全身のどこにでも出現する
  • 1つ1つの皮疹は24時間以内に消える

この
「出ては消える」
という経過が、蕁麻疹を見分ける大きなポイントです。

ガイドラインでは、蕁麻疹を経過によって分類しています。

急性蕁麻疹

  • 発症から6週間以内
  • 比較的短期間で治まることが多い
  • 小児では感染症に伴って起こることが多い

慢性蕁麻疹

  • 6週間以上繰り返す
  • 夕方から夜に悪化しやすい
  • 明確な原因が特定できないことが多い

いずれも、
珍しい病気ではなく、誰にでも起こりうる皮膚疾患です。

蕁麻疹の原因は一つとは限らず、
ガイドラインでは次のような要因が挙げられています。

  • 食べ物
  • 感染症
  • 疲労・ストレス
  • 物理的刺激(こする、冷える、温まるなど)

ただし、
多くの場合は原因を1つに特定できないことが特徴です。

蕁麻疹は、

  • 盛り上がる
  • 急に出る
  • かゆい

といった特徴から、
イボ・虫刺され・湿疹などの「できもの」と誤解されやすい疾患です。

しかし、

  • 24時間以内に消える
  • 同じ場所に固定されない

という点で、
腫瘍性のできものとは異なります。

軽症の蕁麻疹では自然に治ることもありますが、

  • 繰り返す
  • 日常生活に支障が出る
  • かゆみで眠れない

場合は、
治療が必要な状態とガイドラインでは考えられています。

また、
血管性浮腫(まぶた・唇などの強い腫れ)を伴う場合は、
注意が必要です。

ガイドラインでは、
蕁麻疹治療の基本は

  • 原因・悪化因子の回避
  • 抗ヒスタミン薬による治療

とされています。

目標は、

治療により症状が出ない、または生活に支障のない状態

を保つことです。

  • 蕁麻疹はよくある皮膚疾患
  • 出たり消えたりするのが特徴
  • 原因が分からないことも多い
  • 適切な治療でコントロール可能

「急に出て、すぐ消えるできもの」
「かゆみを伴う赤い盛り上がり」

このような症状がある場合は、
一度皮膚科にご相談ください。

本記事は
「蕁麻疹診療ガイドライン2018(日本皮膚科学会)」
を基に作成しています