最新ガイドラインで紐解く皮膚真菌症|7人に1人が悩む「足白癬」から爪の濁りまで、皮膚科での正しい治し方

― 皮膚真菌症(ひふしんきんしょう)
について ―

「できもの」「赤み」「皮がむける」…それ、カビの感染?

皮膚に、

  • 赤くなっている
  • 皮がむける
  • かゆみがある
  • 白っぽくなっている
  • ジクジクする

このような症状があると、
「できものができた」「湿疹かな?」と思われることが多いですが、
原因として非常に多いのが 皮膚真菌症、いわゆるカビによる皮膚感染症です。

皮膚真菌症は、
皮膚の表面(角層・毛・爪)に真菌(カビ)が感染して起こる病気
とガイドラインで定義されています。

皮膚真菌症は、大きく次の3つに分けられます。

  1. 白癬(はくせん):いわゆる水虫
  2. 皮膚・粘膜カンジダ症
  3. マラセチア症(癜風・マラセチア毛包炎)

いずれも日常診療で非常に頻度の高い疾患です。

① 白癬(はくせん)― 水虫として知られる病気

白癬は、
皮膚糸状菌という真菌が原因で起こります。

よくみられる症状

  • 足の指の間の皮むけ・赤み(足白癬)
  • 足の裏のガサガサ、角質の厚み
  • 体や股にできる輪っか状の赤み(体部白癬・股部白癬)
  • 爪が白く濁る・厚くなる(爪白癬)

ガイドラインでは、
日本人の約7人に1人が足白癬、13人に1人が爪白癬に罹患している
と推定されています。

② 皮膚・粘膜カンジダ症 ― ジクジクしやすい「できもの」

カンジダ症は、
Candida(カンジダ)属真菌による感染症です。

特徴

  • 皮膚のこすれやすい場所(脇・股・指の間)に多い
  • 赤くただれ、ジクジクする
  • 小さなブツブツ(衛星病変)を伴うことがある

カンジダは皮膚や粘膜に常在する真菌であり、
湿気・摩擦・免疫低下などをきっかけに発症します。

③ マラセチア症 ― 胸や背中に出る「まだらなできもの」

マラセチア症は、
Malassezia(マラセチア)属真菌が過剰に増えることで起こります。

代表的な病型

  • 癜風(でんぷう)
    • 胸や背中に白っぽい、または褐色の斑点が多発
  • マラセチア毛包炎
    • ニキビに似た赤いブツブツが出現

マラセチアは正常皮膚にも存在する真菌ですが、
増えすぎることで皮膚症状を引き起こします。

皮膚真菌症は、

  • 境界がはっきりした赤み
  • 盛り上がり
  • 皮むけ
  • かゆみ

を伴うため、
湿疹・アレルギー・できものと誤解されやすい疾患です。

しかし、
原因がカビである場合、ステロイド外用のみでは悪化することがある
とガイドラインで指摘されています。

皮膚真菌症の診断には、

  • 皮膚や爪の一部を採取
  • 顕微鏡で真菌を確認する検査(直接鏡検)

が基本とされています。

見た目だけでの診断は難しく、
検査による確認が重要と明記されています。

ガイドラインでは、

  • 抗真菌薬の外用
  • 病状に応じて抗真菌薬の内服

が治療の中心とされています。

症状が良くなっても、
途中で治療をやめると再発しやすいことも重要なポイントです。

  • 皮膚の赤み・皮むけ・ブツブツは真菌症の可能性
  • 日本人に非常に多い身近な皮膚感染症
  • 検査と適切な治療が重要
  • 自己判断は悪化の原因になることも

「なかなか治らないできもの」
「薬を塗っても良くならない皮膚症状」がある場合は、
皮膚科での診察をおすすめします。

本記事は
「皮膚真菌症診療ガイドライン2025(日本皮膚科学会・日本医真菌学会)」
を基に作成しています