治りにくいイボを早期解決へ|最新ガイドラインが推奨する「液体窒素療法」と皮膚科での診断の重要性

― よくある良性のできものについて ―

「できもの」と言われる皮膚の病気の正体

皮膚にできる小さな盛り上がりは、一般的に「できもの」と呼ばれますが、
その中で非常に多いものの一つが「イボ」です。

医学的には、
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)**と呼ばれる皮膚疾患で、
ヒト乳頭腫ウイルス(Human Papillomavirus:HPV)への感染によって生じる
良性の皮膚腫瘍と定義されています。

イボの原因であるHPVは、

  • 皮膚の小さな傷
  • ささくれ
  • 乾燥や摩擦による目に見えない傷

などから皮膚に入り込み、
表皮の一番深い部分(基底細胞)に感染します。

感染後すぐに症状が出るわけではなく、
皮膚の中でウイルスが増殖することで、徐々に盛り上がったできものとして現れます。

ガイドラインでは、尋常性疣贅の典型的な見た目として、

  • 表面がザラザラしている
  • 少し硬い
  • 肌色〜白っぽい盛り上がり
  • 数mm〜1cm程度の大きさ

が挙げられています。

  • 手指
  • 足の裏(足底)
  • 爪の周囲
  • 顔や首(細長く伸びるタイプもあります)

部位によって、
足底疣贅、爪囲疣贅、糸状疣贅などと呼び分けられます。

はい、うつります

尋常性疣贅は、

  • 人から人への直接接触
  • 公共施設(プール・温泉・ジムなど)での間接的接触

によって感染することがあります。

ただし、
健康な皮膚には感染しにくく、傷のある皮膚から感染しやすい
という特徴があります。

イボは、
自然に治ることもありますが、治るまでに長い時間がかかることがあります。

またガイドラインでは、

  • 数が増える
  • 周囲に広がる
  • 治療が難しくなる

可能性があるため、
症状が続く場合は皮膚科での診察が望ましいとされています。

多くの場合、

  • 見た目(視診)

だけで診断が可能です。

必要に応じて、

  • ダーモスコピー(拡大観察)
  • 他の皮膚疾患との鑑別

を行うこともあります。

基本となる治療

ガイドラインでは、
液体窒素による凍結療法が、現在最も標準的な治療として推奨されています(推奨度A)。

これは、

  • イボの組織を凍結・壊死させる
  • ウイルスに感染した細胞を取り除く

ことを目的とした治療です。

その他の治療

イボの部位・大きさ・数・年齢などに応じて、

  • 外用治療
  • 内服治療
  • 免疫反応を利用した治療

が検討されることもあります。

どの治療でも、
患者さんへの十分な説明と同意が必要とガイドラインに明記されています。

ガイドラインでは、
いわゆる「いぼ」と呼ばれるものの中には、

  • 脂漏性角化症(老人性いぼ)
  • 軟性線維腫(首や脇にできる柔らかいできもの)

など、ウイルスとは関係のない病変も含まれると説明されています。

見た目だけでの自己判断は難しいため、
気になるできものは皮膚科での診察が大切です。

  • イボはウイルス感染による良性のできもの
  • うつる可能性がある
  • 放置すると増えることがある
  • 皮膚科で診断・治療が可能

「ただの出来物」と思わず、
長く続く・増えてきた・痛みがある場合は、早めにご相談ください。

本記事は
「尋常性疣贅診療ガイドライン2019(日本皮膚科学会)」
を基に作成しています